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中央式太極拳は南京中央国術館副館長【陳冸嶺老師】により編纂された南京中央国術館正宗太極拳
を起源とする、古式総合太極拳です。
気の武術の奥義は、これ即ち 健康長寿の奥義。
今日、太極拳の医学的健康効果は多くの医学論文で実証されてます。
先ずは気を感じる事から始め、自身の免疫力、自然治癒力を高めましょう。

2015年7月25日土曜日

感じることと太極拳

我々は日常で「元気」という言葉をよく口にします。
太極拳あるいは「易経」に基づいて考え学べば、それは万物の源であると知ることができ、
「元気」の言葉の意味と大切さを改めて感じるでしょう。


「元気」が衰えることは、あらゆる創造性を失うことと同義です。、
元気を養うことを意識する必要があるでしょう。

「皮膚」の営み


太極拳は感覚を重要視します。
感覚は自分自身のモノで他の誰のものでもありません。

先生は、どれほど言葉や補助を尽くしても、あなたの感覚に取って代わって教えることはできないのです。
どうしても自分でやりとげなければならない壁が出てくるのです。


皮膚感覚というものがあります。

単純に分けて、皮膚一枚の「外」と「内」。
単細胞生物のように、生物としての最小単位を原初より区切って以来のものです。

外を感じ、また内を感じ・・・。
そして陸上生物としての進化の粋、内包された海。
外に限りなく宇宙にまで広がる世界、内に底が見えないほど深い内宇宙。

多くは語りませんが、ここに「太極拳」の奥深さがあります。
天を知り、地を知り、人を知る。
東洋の叡智である「易経」との繋がりも深いことが、より一層の深奥さをもたらしています。


さて、太極拳では、身体の一つの組織や器官が一つの役割を担います。
「五臓六腑」も人間の色々な感情と関わりがあります。
その中では脳ですら、一器官にしか過ぎません。


人間の体が小宇宙として在る、というのはそこまで珍しい考え方ではなく、
太極拳もまた武術・養生法としてのアプローチの一つにすぎません。

逆に、「小宇宙で在る」ようになることで、武術にもなるし養生法にもなる、
ということかもしれません。


「人間」としての自我や自己を沈静化し、本来の生命としての在るべき姿を
自身に向けて「静観」することが大事でしょう。





正しい起こりの姿が乾でもある。



「天を楽しみて命を知る 故に憂えず」(『易経』繋辞上伝)




2015年7月24日金曜日

太極拳はすべてに通じる・・・か?


エー・・・サテ。

朝起きていちばん。
身体がガキガキ。

「年、かな・・・?」

すみません。
昨日のブログでエラソーに書いておりましたが、
ご覧の通りの有様でございます。

夜更かしと筋肉痛がこたえています。
もちろん、今日が休みなのを見越しての事ですが。


夜更けでしたが、遅れて送別会に行った後、二次会で「スポッチャ」に行きました。
いろいろな遊びができる総合アミューズメント施設です。
あまりこういうノリの会合は好きではないのですが、
私は行ったことが無いのでちょっと楽しみでした。


中国で話題になった通称「ローラー皇帝」 御年70余歳
2010年の話なので、今生きてるのかな?


やってみたかったのはもちろん「インラインスケート」。
もちろん滑ったこともありません。
しかし夜更けなので人があまりいません。
コース内は貸し切り状態でゆっくり遊べました。

最初はグルグルと歩くだけでしたが、「太極拳」の重心の取り方や感じ方を駆使し、
ある程度の基本は人に教えてもらったりしまして。
なんとか滑るくらいにはなりました。
ただ、ググッと加速するのはまだちょっと怖いですね。

しかし、これはなかなか楽しいものですねぇ。
インラインスケート、買おうかな?

インラインスケートによるダンスチーム
女性がスイスイ滑っているのは優雅ですね。


いろいろゲーム、スポーツはありますがどれもゆるーい感じで楽しめるのがいいです。

「太鼓の達人」で掌にマメが出来ました。

オートテニスも挑戦。
弾き返すように打つのではなく、やさしく面で捉えるようにしてボールを返す。
なるほど。

ダーツも重心や軸を合わせる。
でも、まともに競技としてやると難しいでしょうね。

アーチェリーだけは難しかった・・・。
番え方、把持の仕方、放ち方が意外に難しい。



他の人をほったらかしてガンシューティングに夢中。

たまにある人銃一体の感覚がたまりませんね(笑)。
・・・・ライフルとはいわない。ハンドガンが欲しい。
ガスガンの扱い方・所作にも興味があるのでやってみたいところです。


ポケバイはエンジンの出力が異様に悪くて
単独ぶっちぎりでビリでした。




バブルサッカーもやりました。
http://www.round1.co.jp/service/spo-cha/bubble.html

とはいえ、最終的に中に人がすっぽりと入って落ちないようにし、
グルグルと転がされる遊びと化しましたが、日常で360度全天周回転なんて
されることがありませんので非常に面白い体験です。
逆さになるとものすごく流動的なGを感じますね。
自分の身体がまるで濡れた布団のように重い。

※イレギュラーで危険な遊び方ですので推奨はしません



もちろんいずれも遊戯の域を出るものではありませんが、
反射神経や運動神経ではない太極拳的感覚を駆使すれば(もちろん力みは無用)
けっこうあれもこれも遊べる程度にはできるものだと実感。






で、身体がビキビキになっているのは何ででしょうね・・・・?(溜息)




2015年7月23日木曜日

今日は「大暑」


※画像借りものです。
獅子噛(しがみ)です。うちの地域の旧バージョン。

泉大津では「鬼熊」だそうで。


20日は夏祭りでした。いわゆる「えべっさんのだんじり」。
勇壮な岸和田のだんじりとは全然異なっておとなしいものですが、
それでも轟音を響かせて道を通る威容は良いものです。
数少ない不良系の若者のハレの場でもあるわけですが、とうぜん神事としての側面もあり、
夏祭りは大きく「祇園祭に由来するもの」と「夏越しの神事に由来するもの」の2つに大別されます。
こちらの地域のものは「祇園系」で疫病除けですね。


だんじりの彫り物は「大坂夏の陣」が多いです。
単に武者が寄り集まっているだけと思っていませんか?
じつは「天王寺口の戦い」「八尾の戦い」といった場所別に
区分があるのです。

下記、参照。

http://blogs.yahoo.co.jp/gkrgd678/folder/1555131.html?m=lc

ここの彫り物はなかなか細かい。
まだまだ木が新しいので落ち着きませんが、時代がついてくると
もっとよくなってくると思います。
ただ、木彫りは昭和初期に比べても概して浅い。
ケチったのか、目もあっさり塗っただけ。

もちろんうちの地域の物も一新した際にかなり浅く、荒くなってしまいました。
もともとは昭和7年の作で、夏の陣と冬の陣の合作。





ちょうど日を同じくして「夏の土用入り」でした。
ただいま土用の真っ最中。
どういうことかわかりますか?
土用は季節の転換期。つまり・・・

・・・・・もう夏が終わろうとしているんですよっ。



旧暦人間しかわからないネタですみません。

なんだかんだで遷移を重ねてきた中央式太極拳なんば教室。病院や美容室などとも違い、「お習い事」としてしまえばなかなか贅沢な世界です。
健康になりたい、強くなりたい、痩せたい、美しくなりたいという前向きな気持ちが起き、条件(経済、健康、家庭環境など)が揃わないと来てもらえない環境です。
今の時代、強くなりたければ総合格闘技かシステマがありますし、健康とステータス性ならヨガ系統でしょう。
ジョギングにフリークライミング、フットサルに自転車、本当にいろいろあります。

そんな中で伝統的太極拳&養生法をチョイスするという・・・!
本当の「ゆっくり」に驚き、型があってないようなもので戸惑い、なぜか立たされる(立禅)ことが多いという。
疑問符がつきながらついてきていただけるおかげさまで成り立っております。

会としてもすべからく「当たり前」の意識を無くさねばなりません。
もちろん、自分も太極拳の練習ができて、さらに教えてもらえるという自身の「当たり前」の脱却も必要ですね。


さて。

心が老いている人は「昔話」ばかりします。
心が若々しい人は「これからの話」をします。


「私が若いころは、もっとできた。」
「昔は楽しかった」


せめて心は若々しくいたいと願うならば、当然、過去の話はしないことです。
そして心は見た目に反映します。

過去は過ぎてしまったこと。二度と戻ってくることはありません。
昔話をする、回想する余力があるなら、そのパワーをこれからのことを考えることに使うのが
若くいるためのコツですね。


そして、「そんな年じゃないから」という言葉。
「そんな年」とは、どんな年でしょうか。

この言葉は、人生の中で言ってはいけない言葉のひとつだと思います。
もちろん「言霊」にも関係しています。
そんな言霊を吐いてしまうと、自分がすでに「老いてしまっている」と
認めることになってしまいます。

本人は他者からの否定を待っているのかもしれません。
「まだ大丈夫」と言ってもらいたいのかもしれません。
しかし、言ってもらおうと欲している時点でもう既に老いているのです。

といって、老いは生老病死というように、自然の摂理。
老いを忌避するわけでもなく、若さに執着するわけでもない。
今の、現在の自分を直視し、自分のスタンスで挑戦してみる智慧の見せ所です。
持ち前の・・・だった体力に頼れば、あるいは過去の経験に頼ってばかりでは
「年だから」と云い訳がでるのです。


人生に余生も老後もありません。
全生です。


2015年7月20日月曜日

立禅の感覚 「自分」に回帰する一歩

台風一過の日曜日は総会。主に秋の大演武会に向けての打ち合わせです。
午後からは李老師の講義の予定がありましたが、今日はお忙しいため時間は短め。


李老師曰く、
「王樹金老師は"身体"しか動かしてなかったよ」
腕がちょいっと出れば相手が飛んでいく。

動き出せばすべてを弾き飛ばす「肉弾」と化していた王樹金老師ですが、あの体格をみれば納得です。




李老師が「やはりまだ手が、腕だけが動いている」という指摘がありました。
本来ならば緩やかに動かねばならない太極拳が
「速い運動」になってしまっている現状を改める必要があると思います。

立禅の感覚をもって、やるようにとのこと。
どうしても「肩から動かす」肩先の運動に留まっている。
立禅の感覚・・・それは、自分の身体との対話です。





ゆっくり動くことは「自分」の筋肉、骨、血、はては細胞に至るまでを感じます。
それは自分の身体の確認作業とも言えるでしょう。
本来の「自分」に戻るための大事な行程です。
他の誰でもない自分自身の肉体なのです。



現代の社会は心身の不調和を招く誘惑や阻害で満ち溢れています。
環境や宣伝に振り回され、他の視線ばかりこだわり、心身ともに「自分」を見失っていく中で、
自分の中心に戻るための功夫が必要な時代であるといえましょう。

とにかく世間では「速度」を要求される中、太極拳では「誰よりもゆっくり」が求められます。
自分に絡みついた既成概念をぶち壊し、自分に回帰する第一歩といえましょう。

時計の歯車をクリ・・・クリ・・・とゆっくりゆっくり回していくような感覚。
深い深い呼吸、じっくりと気とともに降ろしていく重心、緩んでいく関節。
周辺視野で目を束縛から解き放ち、こわばった顔もほどけていく。気を循環させていく。

自分が持っている本来のエネルギー、生命力を呼び覚まします。





2015年7月18日土曜日

古流柔術 対 空手



太極拳とは関係ありません(笑)。

掲示板でも書きましたが、7/18に開催の「巌流島・検証2」という格闘技大会に
「古流柔術」の選手がエントリーしています。当会としても応援しております。


ということで、有名な「グラップラー刃牙・最大トーナメント編」から
あのシーンを。





空手家・愚地独歩 対 "達人"渋川剛毅 ダイジェスト



渋川先生の若き日の回想が省かれているのが残念です。


↓大まかな流れ。


試合開始。

両者、対峙。

渋川先生が先手。
思わず反応してしまった独歩を合気でふっとばす。

独歩が様々な攻撃を繰り出すが、ことごとく返される。

独歩があることを思いつき、攻撃をやめる。
渋川先生が喋りながら後ろに回り込み、攻撃。

独歩、「菩薩拳」で反撃。「意」のない正拳突きのため、渋川先生でも見切れない。
「殺意・敵意のある攻撃なら いくら速くても目じゃねえが、
 こうも意を消されちゃぁなぁ・・・」


立ちあがった渋川先生が「なめんじゃねぇ!小僧」

呆気にとられた独歩の腕を取り、ぶん投げる。

お互いにダメージは重く、休憩。

ふたたび立ち上がり、最後の一撃を放つために
間合いを詰める。

独歩が先に「菩薩拳」。
食らいつつも、合気で返す渋川先生。

決着。



渋川先生のモデルは「塩田剛三」。作者は塩田先生とたびたび交流がありました。
なので渋川先生は「渋川流柔術」ですが、どちらかといえば合気道家的な立ち位置ですね。



世へのアンチテーゼとして「達人は保護されているっ」と云い切り、
夢想する「達人像」を否定しつつ、期待を裏切らない「達人」として描ききった板垣恵介。
格闘漫画としてはこれ以上ないくらいのものでしょう。
「刃牙」シリーズは、格闘・武術を「概念」として描いているのが特徴だと思います。



こちらが本放送。お時間のある方はどうぞ。
独歩対渋川先生は27:02~44:45



師匠である御輿柴喜平(植芝盛平がモデル)と立ち合い、印可をもらう回想シーンはこちらから。
36:00~39:05



こういうやりとりがたまりませんね。

武人とはかくありたいものです。

2015年7月17日金曜日

颱風(たいふう)

本日は台風の最中の練習となりました。
当会は台風でも盆暮れ正月でもわりと無関係に練習があることが多いのは
肥後橋教室時代からです。
さすがに人も少なく、久々に話に花が咲きながらのスワイショウになりました。

そこかしこで台風の影響があり、これから本格的になってくるかと思います。
自転車などでの転倒も危惧すべきところですね。


奇しくも、7月16日は旧暦でいう6/1。下半期の始まりですね。
しかも新月で大潮の日。気温、湿度、気圧だけでなく、ありとあらゆる変化の中にいます。
これはかなりキツイ人もいるんではないかと思います。


例の法案も通過したようですし、この台風は日本にとっての色んな意味で「祓いの風」かもしれませんね。


駆逐艦「野分」 大人気「艦これ」より
「野分」は台風の古称です


さて、気候の変化は体調に関係があるのはもちろんですが、
「潮周り」というのは前からちょっと注目してまして、月の満ち欠けなどにも大いに関係があります。
海水も大量に移動しますので気候には大いに影響します。

李老師に教えていただいている「易」というのは、外的環境からの影響・関係性を重く見ます。
外的環境からの刺激・・・つまり、生だの剋だのを見て、自分のあり方・行動を考えます。
「静観」ですね。
そのあたりから興味をもって、機会があればチェックしています。



月齢と樹液の流動の関係性
・・・というのがあるようです


そんな状況の中での練習なので、みなさん大なり小なり抱えている
体調の異変が表に出てきています。
人も少なかったので簡単に気功的アプローチを練習してみました。

眼精疲労、飛蚊症や急性の皮膚疾患、古傷、関節痛など。
けっこう軽減したみたいですね。



そして来週の練習日は「大暑」です。
しかも潮周りは今日の「大潮」の真反対で「小潮」。

でも、教室に来れば元気になって帰れます。
お試しあれ(笑)。

2015年7月14日火曜日

洗練されたプログラム


河川敷の道路を横断中のカルガモ夫婦




「ティップ○ス」が7月から新プログラムを提供したそうです。
いやいや、いろんなプログラムが出てきますね。

すごいカッコいい感じがします。
このあたりは流石です。


そ・こ・で恥ずかしげもなく便乗ですよ、便乗。(`・ω・)




●S.U.P Yoga(サップヨヨガ)
水上の不安定感とゆらぎの要素を利用し、陸上で行うヨガとはまったくことなる浮遊感を楽しみながらさまざまなヨガのポーズをとり、体幹とバランス能力を鍛えていくプログラム。レギュラーレッスンとして、フィットネスクラブに登場するのは今回が初。

水上の上、不安定感・・・というと古流空手の「三戦(サンチン)」を思い浮かべますね。
「不安定な船上での戦いに最適な構えであり立ち方である」・・・・・と有名漫画にもあり、
電車の中でこっそり「三戦立ち」を試した人も多いかと思います(笑)。


体幹はもちろんですが、股関節の捉え、足首やひざの緩み、視線etc・・・太極拳では日常茶飯事。
わざわざ水の上にいかずとも、「独立歩」でも十分過ぎるくらい初心者はグラグラですし。

人間はちょっと動くだけでも重心が上がり、身体もピョコピョコ上下し、浮遊感満載です。
太極拳では浮遊感を排除しつつ、安定しつつも柔らかい動きを獲得します。




●Twins-Tone supported by R○ebok
自分の身体と向き合い、静かにゆっくりと身体のすみずみまで“ひねる”ことで身体全体をストレッチさせながら、じんわりとコンディションを“整えていく”Re○bok社提供の新プログラム。


「自分の身体と向き合い」というのは太極拳や武術、ヨガ等の永遠のテーマ・課題・必要条件。




・・・というより、ここまで専門の会社がプログラムとして「お膳立て」しないと人間って
自分の身体と向き合えないんだと思うと少々悲しくなります。


「静かにゆっくり」も「ひねる」も太極拳の専売特許みたいなものですよ?
100年前以上に通り過ぎた通過点ですよ?
それが、ここまで専門の会社がプログラムとして「お膳(以下略







さて、その一方で。

お昼の番組などを見ていると、最新のスポクラや新感覚のフィットネスなどのプログラムよりも
インストのイケメンぶりや肉体美を紹介したりすることの方に比重が多く、
これはお釈迦さまのいうところの「色情」への煽りなのかな~、と。

とはいえ、人間から完全に切り離すことはできず、お釈迦様も「自分の良心に反する悪い色情からは"離れて置く"」
というように、分別が大切なのですね。
マスコミもこういう人間のサガにつけ込む「煽り」が巧みですから・・・・。


当教室もナイスミドルとロマンスグレーを揃えてお待ちしています(笑)。

2015年7月11日土曜日

スワイショウ  リラックスへの第一歩

太極拳の基本に「スワイショウ」というものがあります。

簡単に云うと、身体を軸にして、腕をいろんな方向に振り回すものです。
漢字では「甩手」と書きます。




ところがこれは単純に見えて奥が深いのです。
全身の血行が良くなり、内臓の働きも促進され、痩身・腰痛改善にも効果があり、
正しくやれば簡単な整体効果もあります。もちろん全身が緩みます。 

健康法、気功法、武術・・・すべてにつながっているというくらいのものです。

「甩」には振り回す、捨てる、放り投げる・・と云った意味があります。
スワイショウと云うのは無駄な力も邪気も不満も心の垢も何もかもを振り払って落としていく
「祓い(=払い)の行法」でもあります。
古神道的にいうならば、払って祓って掃って・・・「素」の自分に戻る。


なので、準備体操代わりに一番最初にやる太極拳教室や健康体操教室は多いと思います。
日ごろのストレスや凝りをパーッっと払ってスッキリして太極拳を始めます。


たいへん効果の高い養生法なのですが、「立って」やるものなので、
どうも日本人には馴染みにくいところがあるようです。
日本は習慣的にも、ストレッチやピラティスはもちろんのこと、
地に体を預けて行うヨガ、座ってやる座禅など、床に座して行う方が親しみやすいようです。

「座る」「床に着く」ことをひとつの日常からの「切り替え」に
しているんじゃないかと思うのですがどうなんでしょう?



スワイショウでよく知られているのはこの2種類です。
腕を前後に振るタイプとでんでん太鼓のように腕を回転させるタイプがあります。
「腕を振る」「上半身の脱力・リラックス」といった点はほぼ共通しているでしょう。

当教室では現在は腕を前後に振るタイプをメインで行っています。
李老師の工夫を重ねて「達磨スワイショウ」と称しておりますが、
基本的な動きは大きく変わりません。
足をそろえて腕を前後に振るだけ・・・もちろん細かい注意はありますが、基本はそうです。


お手軽で、しかも効果が高く、やり方次第では奥深いという素晴らしいものです。


ただ、ある程度の時間を掛けることが必要です。
特に初心者の間は。

もちろん、毎日やるのと時々やるのとでは大違いですし、
また10分のランニングを毎日してもどれだけ痩せれるかと云うと、
それはもう云わなくてもお分かりになるかと思います。


身体の表層部から深層部に浸透していく時間が必要です。
表層部だけが動いていたのだが、だんだんと深層の筋肉も動き始め、
内臓にも大きく作用するのに少し時間がかかります。



李老師から「達磨スワイショウ」が教えられ、なんば教室の基本鍛錬のひとつになった訳ですが、
どちらかといえば講師陣や中級者が熱心で、初心者は訳も分からずやらされている感が満載という・・・(苦笑)。

最初は肩甲骨の柔軟くらいの捉え方なのですが、教室だけでも半年も続ければ次第に
身体の感覚が増してきます。



夏をのり越えて、秋に向けて身体の準備をしてみたい。
体質を変えてみたい。
気力を補ってみたい。
気持ちを落ち着かせたい。
ドンと構えたい。


とてもゆっくり、ちょっと一味違う、
台湾系の伝統的な太極拳をしてみたい。

そんな人をお待ちしています。

定員にもまだ空きがありますので、見学・体験ご希望の方は
掲示板に書き込んでいただくか、
hasselti@jt5.so-net.ne.jp
(橋本)までお申し込みください。









2015年7月10日金曜日

笑顔と高齢者

8日午後10時20分ごろ、大阪市淀川区の阪急京都線南方駅近くの踏切から乗用車が線路内に入り、京都方面に1駅分、約1・3キロ走行した。
淀川署は9日、往来危険容疑で、運転していた愛知県安城市の無職増井弘道容疑者(73)を逮捕した。淀川署によると、電車との接触はなく、けが人はいなかった。
増井容疑者は、容疑を認めている。

 淀川署によると、南方駅近くで駐車違反の取り締まりをしていた警察官が、8日午後10時20分すぎに
「ガタガタガタ」と大きな音をたてながら線路を走る車を発見。約20分後、緊急配備を敷き警戒していた警察官が南方駅から北東に約2キロ離れた東淀川区淡路3丁目の路上で、増井容疑者の車を発見し停止させた。
増井容疑者は「道に迷って入り込んでしまいました。そのまま走ってしまいました」と話したため、事情を聴いていた。線路に接触したため車の底部が損傷し、エンジンオイルが漏れていた。

 淀川署によると、増井容疑者は「どこから線路に入って、どれくらい走ったのか覚えていない」と供述。
愛知県から大阪に来た理由も「友人に会いに来た。(友人の)住所や名前も分からない」と話しているという。

http://www.nikkansports.com/general/news/1504523.html

****************


奇跡的にけが人も出ず、一安心ですが・・・。

>「どこから線路に入って、どれくらい走ったのか覚えていない」
>愛知県から大阪に来た理由も「友人に会いに来た。(友人の)住所や名前も分からない」と話しているという。

名も知らぬ友を求めて大阪で、あてもなく夜の街を走るという・・・。

火花を散らしながら線路を疾走していたみたいで、言動とも相まって
なんだか未来から来た人っぽいですね。




・・・冗談ごとではありません。
これがもし反対車線だったらとんでもない大惨事になってたことはいうまでなく、
なにしろ2つも列車とすれ違ってたわけですし。


この手合いは巻き込み型の人災の典型と云えなくもないです。
そういう意味では高速道路逆走も高齢者ドライバーが多く、免許の返納も現実問題として考える
必要があるかもしれません。
もっとも、返納した事実を忘れてしまうという可能性もゼロではないわけで・・・・。






そういった高齢者におけるひとつの特徴として。
目線が硬くて動きが悪い。笑顔が少ない。固い表情をしている。
・・・といった兆候があります。



人間は脳の機能が落ちてしまうと、顔の表情から笑顔が消えるようです。
人間の笑顔とは、脳の正常な働きの上で発生する、神様からのギフトなのかも知れません。

顔の表情も、顎を動かし噛み砕く原始的な筋肉の上に表情を司る筋肉が覆いかぶさっている形になっています。
もっとも外側に位置しているわけです。
「外面を気にしなくなる」ということは、表情、特に笑顔の放棄といえなくもありません。


眼球自体はそれこそ脳神経の延長であり、もっとも外部に接触している部分です。
眼球を動かす筋肉も微細で微妙な働きを持っています。
眼は口ほどにものを言うというくらいですから、その働きは大きいです。
笑顔が消え固い表情になり、目線が一点を見つめたようになってしまう・・・
固いか、険しい貌(かお)になってしまうのです。

気の通っていない感じはありますね。


壊れいく自我と、顕れる本性。
自我が消え失せたところに残るものが本性ならば・・・、
それが「思いやり」「慈愛」であるかどうかは残念ながら本人次第ということになります。



ご高齢であり、ご多忙の極みではありますが、
今上天皇陛下の御顔などはまさに尊い「翁」の相です。
この世で労苦を、明るく消化した人は、生きながらに良い顔相に変化して行くそうです。


なによりも「笑顔」を心がけることが大事ですね。
ただ、一口に笑顔と云っても柔和な微笑みから自分勝手な笑み、
上品な笑いもあれば下品な笑いもある。
人を不快にさせてしまうようなものまでいろいろあります。




「笑みをたたえる」というように、
まるできれいな泉のように、慈愛を満たした結果の笑み。
無為で、自ずからこんこんと湧き出る笑み。



太極拳の練習の最中も、まさか笑顔というわけにはいきませんが、
柔らかい表情を心がけるのが吉でしょうね。


また、お互いに技をゆっくりかけて、かけられた方が思わず「笑みがこぼれて」しまう
ような技は完成度が高いのです。不思議ですね。







釈迦から見て、その笑顔があまりにも素晴らしく、
釈迦は、その摩訶迦葉(マハーカッサパ)の笑顔に、
大悟に至った者の姿、すべてを知り得る者の表情を感じ取り、
摩訶迦葉に正法眼蔵(仏法の本性)を伝えると決めた、のだろう。


決めたのではあるが、既にもう伝え終わっていた、のである。
以心伝心である。


2015年7月8日水曜日

プライベート型スポーツ


「コミュニケーション型」から「プライベート型」へ


******************
「お一人様スポーツ」人気の理由は…スポーツに関する調査「日常のスポーツ意識・行動編」
2015/07/03


ゴールドウインは、スポーツを楽しむサラリーマン・OLのスポーツへの意識と実態について第2回調査を行い、結果を発表した。対象は、現在スポーツを行っている会社員で、20代から50代以上の男女480名(予備調査2,883名より抽出)。

第2回調査「日常のスポーツ意識・行動編」では、サラリーマンやOLが前回調査に引き続き健康志向が強く、頻繁にスポーツを行っていることがわかった。月の費用平均は6,906円。また、一人で行う傾向が強まっている。第1回調査は、2013年7月に実施。

サラリーマン・OLがスポーツに取り組む目的を尋ねたところ、70.6%が「健康のため」と回答。健康志向が高いことが読み取れる。スポーツはチームや仲間というイメージが強いが、スポーツを誰としているのかという問いでは、50.0%がスポーツをするのは「一人が多い」と答えている。多くの人が一人で、黙々とスポーツに取り組んでいるようだ。

今、行っているスポーツでは、47.1%の「ウォーキング」がトップ。次いで「ランニング・ジョギング」が37.7%とラン系が上位を占めた。3位以降は、「筋力トレーニング」21.0%、「体操・ストレッチ」18.1%と、一人で取り組むスポーツに人気が集まっている。

今、行っているスポーツをはじめた時期を尋ねると、「就職してから」が63.1%とトップとなった。就職してから今やっているスポーツをはじめたという回答者に、スポーツの効果について聞くと、42.2%がそのスポーツにより「健康になったと思う」と回答。「やせた」という回答者も29.0%を占め、スポーツの健康効果を実感している人が多いようだ。

今後やってみたい・続けたいスポーツでは、女性の各世代で「ヨガ・ピラティス」が人気となった。「登山・トレッキング」は、男性20-30代や女性20代で上位にランクインしている。


****************


「お一人様スポーツ」ということで、人との「馴れ合い」を求めない傾向があると思います。
簡単に言えば、おしゃべりや出会いを楽しむよりはプライベートや目標を優先するということですね。

コミュニケーションを求めるというよりも、あくまで自分の(目標の)ため。
またゴルフのように「社用スポーツ」でもなく、日曜野球やフットサルのように「サークルスポーツ」でもない。
基本は単独で行い、仲間、時と場合の自由選択性が高いチョイスとも言えますね。
ディスコミュニケーションというわけでもなく、あくまでも自由選択の範囲内、ということでしょう。

CMや芸能人で話題になった「ラ○ザップ」はプライベート+目標の複合型でしょうか。
プライベートレッスンで、短期間で、ストイックに目標体重・体型へとアプローチする。
オーダーメイド的かもしれません。



このようにプライベート重視と云うことは自己が発信基地となるわけで、
さらに「スポーツ」に欠かせないもの・・・・として、やはりファッションが上げられるでしょう。



Sports×Fashion 新スタイルマガジン登場ということで、

『スポーツとおしゃれを自然体で楽しむ
 気持ちのいいライフスタイルを提案します。』


LAやハワイの青空の下、あるいは東京やNYの公園でスポーツを楽しむ、カラフルでファッショナブル、キュートで健康的な女性像です。
思わず真似したくなる実践的なスポーツファッションはもちろん、日常に取り入れやすい“スポーツミックス”の着こなしに注目。

・・・ということで、「hb humming birds 」という雑誌が今年の3月に創刊されました。
Vol.02が6/27に発売されたようです。
https://hb-web.jp/




太極拳は「武術」なので、厳密にはスポーツとは趣きを異にするものです。
そういう意味では「ヨガ」も本来的には行法であり、スポーツではありませんね。
どちらも数字にも順位にもこだわりません。

心にも体にも力みが無い「自然体」であることを追及します。
そして自身の肉体と「内在するもの」を探し、感じ、一体化を試みます。

ヨガでいうと「アートマン(真我)」でしょうが、
太極拳でいうともう少し世俗的で、どんな状態でもビビらない状態ってことでしょうかね。


武術だから敵をやっつけるんじゃないの?
と思われるでしょうが、「敵」という概念はミクロな関係性に埋没した人の言葉。
そこからもう一歩、大きな視点を持つことが自然体にもつながってきます。


2015年7月5日日曜日

四連撃

[半夏生]も過ぎ、ほどなく[小暑]になろうとしています。
雨の多い時期ですね。


易的にいえば、「夏」というのは今まさにその真っ最中であって、
8月の「夏」というのはもはや下り坂の「夏」なんですね。

今月は満月が二回もある「Blue Moon」。
月頭には(特に7/1)金星と木星が大接近するというレアな現象。

もちろん潮周りの動き方もダイナミックです。

わりに、気温がググッと上がらないのがちと気にはなりますが・・・。


ハンゲ(半夏)
別名:カラスビシャク


さて、そこそこ有名な話。
某所からのコピペです。



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853 : 名無しさん@おーぷん 2014/09/02(火)22:03:48 ID:gslW9mbZE

仕事の付き合いで帰りが遅くなるって連絡してきた嫁が
泣きながら
「上司にホテルに連れ込まれそうになった」って電話してきた時が最近で一番の修羅場だった。















「このままでは嫁が犯罪者になってしまう!!」って思って。

慌てて現場行ったら、案の定上司とやらが肋骨3本と顎を叩き割られて、路地裏で動かなくなってた。
剣道有段者の俺でも、獲物がないと太刀打ちできない空手の猛者に何て無謀な真似を…

お巡りさんは厳重注意だけで済ましてくれました。
どうやったのかお巡りさんに聞かれて実演してたけど、それは見事な四連撃でした。
お巡りさんに「えげつない…」と言われて、ちょっと涙目になってた嫁が可愛かった。


854 : 名無しさん@おーぷん 2014/09/02(火)22:51:06 ID:hivYKAJGk

これは全身全霊を込めて「ざまぁwww」だが
立場利用した連れ込みは腕力や胆力がない女性だと抗いきれないよね。
このレ○プ未遂上司のその後が気になる。


855 : 名無しさん@おーぷん 2014/09/02(火)23:04:39 ID:MO54EX2rv

>>853
夫婦喧嘩が壮絶そうだな
嫁さんかっけぇ


857 : 名無しさん@おーぷん 2014/09/03(水)00:13:08 ID:v2mtdOUnF

>>853
嫁が犯罪者って心配の仕方なんなの。と、思ったらそういう意味か
上司はお気の毒だが、まぁ自業自得だわな…でも、顎かち割らんでもよかろうにw
上司も気になるけど嫁さん、そのあと会社どうしたの?


859 : 名無しさん@おーぷん 2014/09/03(水)00:55:32 ID:4CwxRP3pA

>>853だけど、上司は警察沙汰になったんで当然奥さんにもバレて大変だったみたい。
嫁の勤め先は、実を言うと社長が俺の元同僚(辞めて独立した)で、
嫁も悪い言い方すると俺のコネ入社なんだよね。そんな大きい会社ではないんだけど。
それで大層謝罪を受けて、結局クビになった。
何か他の女子社員にも同じ事してたらしい。
元上司の奥さんに「いっそ殺してくれればすっきりしたのに」と言われたよ。

何かタクシー降りたらホテル前で、いきなり左肩抱かれて
「大人ならわかるでしょ?」みたいな事を言われたらしくて、
そのまま左手を掴んで外へ引っ張ると同時に右肘を鳩尾へ。
そこから180度回転して左フックを肝臓へ。その時点で右は腰の辺りで溜め。
更に鳩尾へ中段正拳突き。
前に崩れ落ちる顎に右膝で、ちゃんと残心もしてた。
「あ、やっぱちゃんとするんだ」って思っておかしかったw

>>855
人が見るとコントみたいに見えるらしい。
小太刀サイズの袋竹刀を正眼で構える俺と、対武器用らしい前羽の構えってので間合いを詰めようとする嫁。
喧嘩の理由は凄く些細な事なのに、下手すると命がけだよw


860 : 名無しさん@おーぷん 2014/09/03(水)01:12:39 ID:4CwxRP3pA

>>857
あ、嫁さんは会社では当然何のお咎めもなかったよ。
エロ上司を撃退してくれたって、同僚とか若い子から凄くちやほやされてるらしい。
でも、猛者だとバレたのがちょっと悲しかったと言っていた。
見た目小さくて華奢なんで、大人しい子の振りしてたんだとw
細いけど、筋肉でパツンパツンの癖に。


861 : 名無しさん@おーぷん 2014/09/03(水)01:31:29 ID:uk4xDmTK3

いい嫁を持ったじゃないか 
こら浮気とかしたら    ゲラゲラ


862 : 名無しさん@おーぷん 2014/09/03(水)03:54:42 ID:yf7czrpbH

「動かなくなってた」って普通,もうこの世にいなくなった場合だよね。
生きるのを止め、命を失い、安らかに眠り、お陀仏で、ポックリ逝き、くたばり、死んじまい、息を引き取り、天国のホテルにいってしまったのかと思った。
(Copyright John Cleese, translated by yomoyomo)

四連撃は説明が絵が浮かぶくらい具体的だったのだが、右肘から180度だと右のバックブローでは?
左フックは360度回ってるよね?

格闘技はテレビや映画で見る程度の素人なので、間違ってたら許して。


863 : 名無しさん@おーぷん 2014/09/03(水)04:29:58 ID:wkLVTkoam

>>860
おとなしいから抵抗もしないで泣き寝入りするだろうと思われたのか
絶対に余罪がゴロゴロありそうな奴だね
股間にも一撃食らわして、再起不能にしてやってもよかったな


866 : 名無しさん@おーぷん 2014/09/03(水)09:18:12 ID:4CwxRP3pA

>>862
言われてみればそうだw
「動けなくなってた」だよね。
顎割られて痛くて気絶も出来なかったらしいよ。
フックは上から見て6→9(出っ張りが左手)だから180度かなと思ったんだけど違うかな。

>>861
本気で殺されてしまうwww
でも夫婦仲は良いから大丈夫だと思…うw
夫婦喧嘩の理由も(俺が在宅仕事なんで毎朝見送る時)
「今朝行ってらっしゃいのチューしてくれなかった」とかそんなのだし。
と、最後に惚気でおくw

>>863
実際、名乗り出た子が何人かいたらしい。
でも「急所攻撃は本当に殺ってしまう可能性があるので使わない、滅多に」と言っていた。

それじゃ、いつまでもいたら申し訳ないのでこれにて!
聞いてくれてありがとう。


867 : 名無しさん@おーぷん 2014/09/03(水)11:29:56 ID:l9VuWP93x

>>866
奥様は武田梨奈さんのような人なのですね



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不意を突いたとはいえ、きちんと崩してからの肘。しかも鳩尾。
そこからの3連撃。しかも全部急所。

おそろしいやらすごいやら・・・・!





7月第一週目は套路の後、初級者の体験を含めた八卦掌グループと
技法研究グループに分かれて練習しました。
技法研究では手刀をやったのですが、
A先生相手に何度かやってみて手ごたえを感じたらしく、

姉弟子が自分の手を見ながら、

( `・ω・)ノ☆キラリ  「手で 人、斬れるんやなぁ~~」


・・・と、しみじみ言っていたのだが大変印象的でした(笑)。


そのうち足刀手刀4連撃がさく裂しそうですwww


2015年7月2日木曜日

杖術と太極拳 近代~現代への流れ

先のブログでは「神道夢想流杖術と中央式太極拳には関係性がある」と大仰に書きました。


はたして、日本の古武術と太極拳に何の関係が・・・・?



それは、日本に初めて太極拳・八卦掌・形意拳がもたらされたことに関係するのです。
「玄洋社」総帥・頭山満(旧福岡藩士)の息子であり、「全日本杖道連盟」の会長でもあった頭山泉氏が
台湾・国民党政府に王樹金老師の招聘をはたらきかけたのです。
それに応じた蒋介石により文化特使として王樹金老師は派遣され、こうして日本に
中国武術としての「太極拳」がもたらされました。それが1958年のことです。


※玄洋社:1881-1946 旧福岡藩(黒田藩)士が中心となって、1881年(明治14年)に
結成された西洋列強に対抗する大アジア主義を抱く政治団体。
玄洋社の社則の条項は「皇室を敬戴すべし」「本国を愛重すべし」「人民の権利を固守すべし」
輩出した人物として中村天風(日本初のヨーガ行者)がおり、また頭山満は植芝盛平(合気道開祖)や
出口王仁三郎(大本教)らと大陸にも渡っている。
かつて少林寺拳法を創始した宗道臣(中野理男)も居候していたことがあるし、「姿三四郎」のモデルである
西郷四郎も講道館を脱した後、玄洋社の周辺でジャーナリズム活動に身を投じている。
ちなみに「心身統一合気道」の藤平光一(1920~2011)は植芝盛平と中村天風の両者の教えを受けている。
植芝が存命中に合気道十段を許された唯一の人物。




夢想権之助(生没年不詳)を流祖とする「神道夢想流杖術」は旧福岡藩(黒田藩)でよく伝えられ、
明治以降に全国に広められます。
逮捕術の警杖術技は神道夢想流杖術がもととなっています。


1600年。関ヶ原の合戦。宮本武蔵は西軍として宇喜多陣営にて参戦(?)。

1606年。福岡藩初代藩主・黒田長政により福岡城が完成。
1617年ごろ。姫路滞在中の宮本武蔵と夢想権之助が試合したと云われている。
1638年。島原の乱。小倉藩小笠原氏の後見として宮本武蔵、出陣。投石により負傷。
また、この頃、宝蔵院流高田派の流祖・高田又兵衛と試合。
1645年。新免武蔵守 藤原玄信こと宮本武蔵が逝去。

1646年。沢庵宗彭が逝去。当時の代表的禅僧でもあり、また柳生宗矩の求めに応じて「剣禅一如」を説く。
この境地を記した「不動智神妙録」は禅を以て武道の極意を説いた最初の書物であり、
武術から武道への流れを開く端緒のひとつになり、江戸期を含めて後世の日本武道においての影響は大きい。
ちなみに、宮本武蔵との交流は、史実においては確認できていない。

同年 柳生宗矩が逝去。将軍家指南役として剣豪から大名にまで上り詰めた唯一の人物。
父は柳生石舟斎。息子に柳生十兵衛三厳。
平時における新しい兵法思想を展開し、ある意味において「人格形成のための社会教育化」の
発端ともいえる。後世への日本武道への影響は計り知れない。




1840年。アヘン戦争勃発(清国と大英帝国)

1871年(明治4年)廃藩置県。
同年、清国との修好条規を天津で調印(日清通商条約)。

1881年(明治14年)旧福岡藩士らが中心となり「玄洋社」結成。



1882年(明治15年)董海川(とうはいせん)逝去。清朝・紫禁城の宦官で、八卦掌の創始者。
八卦掌の門派は甚だ多く、董海川の元に集まった各地の達人たちに対して、各達人がそれまで学んできた
武術にあわせて教授した点が挙げられる。

ちなみに王樹金老師はひ孫弟子にあたる。


1899年(明治32年)清国で義和団蜂起。
1905年(明治38年)王樹金老師、河北省天津で誕生。
1912年(明治45年/大正元年) 南京で「中華民国臨時政府」が成立。

1928年(昭和3年) 南京中央国術館が設立。

もともと中央式太極拳は「南京中央国術館式太極拳(あるいは双辺太極拳)」として
中華民国政府の命により南京中央国術館(1928~1949)で編纂されました。
西洋列強や日本との戦争により、軍の強化と国民のアイデンティティの拠り所として、
中国武術は「国術」として重視されるようになっていきます。
中国武術の全国的統一組織として、「国術」の研究と優れた武術家の養成のために設立されました。


その系統を「古伝統合型太極拳」とも呼ぶように、楊家太極拳をベースに
他の太極拳や形意拳などの中国武術の粋を統合して完成したものです。
当時の副館長であった陳泮嶺(1892~1967)を中心に著名な武術家が集まって研究された成果です。


1944年(昭和19年)玄洋社総帥・頭山満、逝去。
1946年(昭和21年)日本の敗戦にともない、GHQにより「玄洋社」解散。

その一方で、第二次世界大戦後、大陸の覇権を争う「国共内戦」が勃発。
先の大戦で日本と戦っていた国民党軍は疲弊しており、共産党軍により、
1949年、蒋介石の国民党は台湾に撤退。その時、多くの様々な武術家や文化人も台湾に渡りました。

同年10月、こうして大陸に「中華人民共和国」が建国。
日本では湯川秀樹がノーベル物理学賞を日本人として初めて受賞。

また、同年5月30、31日に発生した東京都公安条例制定反対デモの取締りに警視庁予備隊が
初めて警杖を持って出動し、65名を検束。
警杖は敗戦後の武装解除で丸腰に近い状態になっていた警察官にとって唯一の武器でした。
ただ、GHQの指示で採用されていた新警棒を使わなかったので、後で相当のお叱りを受けたそうです。

1950年(昭和25年)朝鮮戦争勃発。

1952年(昭和27年)日米地位協定締結。
そして、日米の平和条約が発効されたことにより日本の主権が回復。
同年、日華平和条約(日台平和条約)締結。


朝鮮戦争の関係もあり、アメリカが台湾の中華民国政府(蒋介石)を承認・支援し、
1954年(昭和29年)12月に「米華相互防衛条約」を締結。
この頃、世界ツアーで台湾に来ていた米国のヘビー級ボクシング王者「ジョー・ルイス」の
挑戦に応じたところ、ルイスは王樹金老師にパンチの一撃を浴びせたが、
老師が微動だにしないことに驚き、対戦を取りやめたといいます。


1956年(昭和31年)中華人民共和国で「制定拳簡化24式」が制定。
国家体育運動委員会を通じて社会に寄与する健康体操として制定・普及が図られたものであるが、
新生中国の社会主義建設のための、労働意欲・学習意欲向上と労働者・学生の健康福祉を目的にして
各職場や学校で奨励されたものであることを知って学んでいる人は少ないと思われる。

同年、「第一回世界柔道選手権大会」が東京で開催。
その頃日本では既に戦後のGHQ管轄下を脱し、「日本精神を形づくるものだから」という理由で
規制されていた武術・武道も多くの武術家・政治家の働きにより復興していました。
GHQの武道教育禁止に対して小野派一刀流16代目宗家・笹森順三らが
撤廃と伝統武術・武道の復興説得を続け、「日本武道の何たるか」を証明するため、
「今武蔵」とも呼ばれた鹿島神流18代宗家・国井善弥と米国海兵隊銃剣術教官との試合は有名です。


昭和30年当時の「全日本杖道連盟」の会長は頭山泉氏でした。
先にも書きましたが、頭山泉氏は全日本杖道連盟の前身である「大日本杖道会」の会長であり、
玄洋社・頭山満の御子息です。


1956年(昭和31年)「神道夢想流杖術」が「全日本剣道連盟(全剣連)」に加盟。
全剣連は剣道、居合道、杖道を「三道」として普及する方針を打ち出しました。
全剣連への加入については、頭山泉会長は反対でしたが、清水隆次師範の強い希望により実現。
ちょうど入れ替わりに「なぎなた」が全剣連から独立し、「なぎなた連盟」を設立。



そして、
1958年(昭和33年)に国民党・蒋介石の要請を受けた王樹金老師が渡日。
それ以降合計21回来日し、中国武術の教授を行いました。

1960年(昭和35年) 全日本杖道連盟主催の演武大会に特別演武枠として王樹金老師が出席。




1966年(昭和41年) 中華人民共和国で「文革」開始。
武術方面に限って言えば、陳家太極拳の嫡流は獄死します。
その他の武術家も殺されないまでも海外に逃亡したり隠遁したり、多くの文化は壊滅状態になります。

有名な話として、「金魚」の名産地・養殖池まですべて壊すという徹底ぶり。
珍しい金魚の血統やノウハウまで喪失してしまい、世界一の座を自ら降りたことになりますが、
後年日本の技術を逆輸入してそれなりに復興はしているようです。


1969年(昭和44年)植芝盛平、逝去。


1970年(昭和45年)国際剣道連盟設立&第一回世界剣道選手権大会開催。
この時、優勝は日本でしたが、準優勝はなんと中華民国(台湾)。
※「中華民国」の称は1971年まで使われていました。


1972年(昭和47年) 日中国交正常化。
以降、「簡化24式」が日本にもたらされます。

1973年12月。「燃えよ!ドラゴン」が日本で初上映。ブルース・リーは同年7月に逝去していました。
(カンフーブーム到来)

1980年(昭和55年) 「ひらけ!ポンキッキ」で「カンフーレディー」が放送。
作詞:三輪道彦 作曲・編曲:小山田暁、
歌:高田とも子・コスモス。
映像で演武している男性は中国武術研究家の松田隆智(1938~2013)。
女性は子役タレントで歌も担当した高田とも子。

この時、まだ日本では公開されていなかった中国武術の套路を楽曲に合わせた演武映像にて一般公開。

当時、「簡化24式」等により「太極拳は武術から生まれた健康法である」とする認識が一般的であったが、
松田の著書によって種々の太極拳のルーツの一つである「陳家太極拳」が健康法ではなく
武術として台湾において伝承されていることをメディアを通じて明らかにした。


1981年(昭和56年)。王樹金老師、逝去。

1985年(昭和60年)に「国際杖道連盟」と「全日本杖道連盟」を再び立ち上げ。
かつての会長であった頭山泉氏は高齢を理由に会長就任を固辞し、初代会長はあの安部晋太郎氏。
その後、二代目会長は三塚博氏。そして現在は三代目の安部晋三氏となっています。




2012年(平成24年)「第一回中央式太極拳総合演武大会」開催。


2015年(平成27年)「第二十一回西日本古武道大会」開催。
・・・に私が見学に行ったというところで、先のブログに続きます。




少々強引ではございましたが、
「因縁生起」ということで過去から今この現在にまで受け継がれているということを表現するには、
当時の時代背景を無視することもできず、太極拳と杖術(日本武道)に関連するもの、
しかもできるだけ知名度の高い人物、事件、言葉に絞りましたが、
ややこしくなってしまったかもしれません。


江戸初期に興り、福岡藩(黒田藩)で伝えられた夢想権之助の杖術の流れは
かくして「王樹金の太極拳」を日本にもたらし、今に至るのであります。